02_「都美セレクション グループ展 2022 たえて⽇本画のなかりせば:東京都美術館篇」(東京都美術館、2022)
概要
展覧会名:都美セレクション グループ展 2022 たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇
会期:2022年6月11日(土)~7月1日(金)
休室日:6月20日(月)
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:6月17日(金)、24日(金)、7月1日(金)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:無料
会場:東京都美術館 ギャラリーA
住所:〒110₋0007 東京都台東区上野公園8₋36
WEB:https://www.tobikan.jp
主催:パラレルモダンワークショップ、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団
アーティスト:泉桐子、大平由香理、尾花賢一、親指姫、金子富之、金子朋樹、菊地匠、硬軟、春原直人、多田さやか、谷保玲奈、⻑沢明、中村ケンゴ、ベリーマキコ、歩火、山下和也(ちやのある Le Cha noir)、山本雄教
キュレーター:小金沢智
制作協力:荒達宏、上領大祐、國友勇吾、弦間康仁、笹⾕遼平、島⽥隆⼀、杉原出雲、鈴⽊⼀成、関野圭一郎、塚田めぐみ、⻄澤諭志、山口明子、吉江淳、吉岡直将
ビデオグラファー:岡安賢一
グラフィックデザイナー:丸山晶崇
展覧会名:都美セレクション グループ展 2022 たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇
会期:2022年6月11日(土)~7月1日(金)
休室日:6月20日(月)
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:6月17日(金)、24日(金)、7月1日(金)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:無料
会場:東京都美術館 ギャラリーA
住所:〒110₋0007 東京都台東区上野公園8₋36
WEB:https://www.tobikan.jp
主催:パラレルモダンワークショップ、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団
アーティスト:泉桐子、大平由香理、尾花賢一、親指姫、金子富之、金子朋樹、菊地匠、硬軟、春原直人、多田さやか、谷保玲奈、⻑沢明、中村ケンゴ、ベリーマキコ、歩火、山下和也(ちやのある Le Cha noir)、山本雄教
キュレーター:小金沢智
制作協力:荒達宏、上領大祐、國友勇吾、弦間康仁、笹⾕遼平、島⽥隆⼀、杉原出雲、鈴⽊⼀成、関野圭一郎、塚田めぐみ、⻄澤諭志、山口明子、吉江淳、吉岡直将
ビデオグラファー:岡安賢一
グラフィックデザイナー:丸山晶崇
広報物(デザイン:丸山晶崇、サイズ:A3[三つ折り]、発行日:2022年4月11日)
pmw_0402.pdf |
コンセプト
世の中にたえて桜のなかりせば 春の⼼は のどけからまし(伊勢物語)
この錦絵は、上野公園(現・上野恩賜公園)で明治23(1890)年春から夏にかけて開催された「第3回内国勧業博覧会」を主題にした、楊斎延一《内国勧業博覧会 上野公園一覧》(1890年、個人蔵)である。画面奥の「美術館」と付される建築物と「動物園」のあいだ、クレジットのない建築物に注目して欲しい。明治20(1887)年に開校(*)したばかりの東京美術学校(現・東京藝術大学)と思えるが、この当時、学校名すらクレジットされないほどその名は一般に知られていなかったか。けれども、以来その場で教授される日本画は、「日本」の表象としての機能を持ち続け、アジア・太平洋戦争敗戦後は「日本画第二芸術論」が叫ばれながらも、ついに滅亡することなく、「国民画家」と呼ばれる作家までも輩出している。
ここで想像する。錦絵上で明示されていないように、もしこのとき上野公園に、東京美術学校がなかったならば。ここで、日本画が教授されなかったならば。すなわち、東京美術学校由来の日本画がなかったならば、いま、日本画はどのようなものとなっていたか。東京で。あるいは、日本で。
「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」は、この錦絵が描かれてから132年後、上野恩賜公園に位置する東京都美術館で、現在の美術家たちが黎明期における日本画の不在を仮想したときどう振る舞うか、という大いなる矛盾を含んだ思考実験である。ありえたかもしれないパラレルな世界へのいっときの没入のはてに、私たちは現在への新しい想像力を手に入れることができるだろうか?(小金沢智)
(*)「開校」ではなく「設立」の誤り。
世の中にたえて桜のなかりせば 春の⼼は のどけからまし(伊勢物語)
この錦絵は、上野公園(現・上野恩賜公園)で明治23(1890)年春から夏にかけて開催された「第3回内国勧業博覧会」を主題にした、楊斎延一《内国勧業博覧会 上野公園一覧》(1890年、個人蔵)である。画面奥の「美術館」と付される建築物と「動物園」のあいだ、クレジットのない建築物に注目して欲しい。明治20(1887)年に開校(*)したばかりの東京美術学校(現・東京藝術大学)と思えるが、この当時、学校名すらクレジットされないほどその名は一般に知られていなかったか。けれども、以来その場で教授される日本画は、「日本」の表象としての機能を持ち続け、アジア・太平洋戦争敗戦後は「日本画第二芸術論」が叫ばれながらも、ついに滅亡することなく、「国民画家」と呼ばれる作家までも輩出している。
ここで想像する。錦絵上で明示されていないように、もしこのとき上野公園に、東京美術学校がなかったならば。ここで、日本画が教授されなかったならば。すなわち、東京美術学校由来の日本画がなかったならば、いま、日本画はどのようなものとなっていたか。東京で。あるいは、日本で。
「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」は、この錦絵が描かれてから132年後、上野恩賜公園に位置する東京都美術館で、現在の美術家たちが黎明期における日本画の不在を仮想したときどう振る舞うか、という大いなる矛盾を含んだ思考実験である。ありえたかもしれないパラレルな世界へのいっときの没入のはてに、私たちは現在への新しい想像力を手に入れることができるだろうか?(小金沢智)
(*)「開校」ではなく「設立」の誤り。
出品作品リスト(デザイン:丸山晶崇、サイズ:A3、発行日:2022年6月11日)
handout_0611.pdf |
関連イベント:「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」御案内
日時:2022年6月18日[土]11時00分-16時00分(受付:10時30分)
会場:東京都美術館 講堂
1. 11時00分-11時45分:[キュレーター解説]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」
2. 13時00分-14時30分:[上映会①]「たえて日本画のなかりせば:上野恩賜公園篇」ドキュメント(ゲスト:岡安賢一[ビデオグラファー])
3. 14時35分-14時50分:[上映会②]紙芝居by親指姫
4. 15時00分-16時00分:[ディスカッション]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」とパラレルモダンワークショップのこれから
日時:2022年6月18日[土]11時00分-16時00分(受付:10時30分)
会場:東京都美術館 講堂
1. 11時00分-11時45分:[キュレーター解説]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」
2. 13時00分-14時30分:[上映会①]「たえて日本画のなかりせば:上野恩賜公園篇」ドキュメント(ゲスト:岡安賢一[ビデオグラファー])
3. 14時35分-14時50分:[上映会②]紙芝居by親指姫
4. 15時00分-16時00分:[ディスカッション]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」とパラレルモダンワークショップのこれから
[キュレーター解説]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」/出演:小金沢智/撮影・編集:岡安賢一、写真:吉江淳/46分26秒
[上映会①]「たえて日本画のなかりせば:上野恩賜公園篇」ドキュメント/出演:大平由香理、金子朋樹、川合南菜子[歩火]、硬軟、小金沢智、谷保玲奈、土田翔[歩火]、ゲスト:岡安賢一/撮影:國友勇吾、編集:岡安賢一、写真:吉江淳/1時間21分17秒
[上映会②]紙芝居by親指姫/出演:親指姫、小金沢智/撮影・編集:岡安賢一/15分2秒
[ディスカッション]「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」とパラレルモダンワークショップのこれから/出演:小金沢智、多田さやか、長沢明、中村ケンゴ、丹羽優太[親指姫]、三瀬夏之介[歩火]、山下和也、山本雄教/撮影・編集:岡安賢一、写真:吉江淳/1時間6分37秒
展覧会来場者数
7,405名
関連イベント参加人数
33名
7,405名
関連イベント参加人数
33名
掲載記事
・小田原のどか「美術評「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」展」『東京新聞』夕刊、2022年6月17日
・村田真「artscapeレビュー 都美セレクショングループ展 2022 たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」『artscape』2022年7月1日 ▶︎『artscape』記事
・村田真「artscapeレビュー 都美セレクショングループ展 2022 たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」『artscape』2022年7月1日 ▶︎『artscape』記事
アーカイブ
・『都美セレクショングループ展 2022 記録集』
「都美セレクショングループ展 2022」(東京都美術館、2022年6月11日〜7月1日)*の記録集。東京都美術館によって選出された全3グループの展覧会の記録を収録するもので、「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」は10ページから23ページの計14ページ。内容は、「グループによる展覧会紹介」(無記名だが小金沢によるもの)、「作品配置図」、「作品リスト」、「関連事業」、「たえて「近代」のなかりせば」(山村仁志/東京都美術館学芸担当課長)。作品図版の撮影は、大洲大作、吉江淳(パラレルモダンワークショップから提供)。また、巻頭での「描くこと、記すこと、残すこと―「都美セレクション グループ展 2022」を振り返って」(大内曜/東京都美術館学芸員)では、「たえて日本画のなかりせば:東京都美術館篇」の選出経緯や展覧会の回想が記載されている。非売品。
*「都美セレクション グループ展 2022」詳細 ▶︎東京都美術館HP 『都美セレクショングループ展 2022 記録集』 [編集]東京都美術館大内曜、下倉久美、杉山哲司 [編集補助]川田朗子、平方正昭 [展示記録撮影]大洲大作、長塚秀人(p36~43、図版右下に★を付したもの)、吉江淳(p14、図版右下に☆を付したもの) [デザイン]有佐祐樹 [印刷]株式会社アトミ [発行]公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館 [発行日]2022年12月26日 ▶︎記録集(PDF) |